売上をあげても利益が残らない理由
サロンのオーナーさんや経営者の方は、わかると思うのですが
売上を上げても、利益が残らないことってありませんか?
むしろ、「毎月そんな状態だから、早く改善して利益を伸ばしたい!」と
焦っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、「なぜ売上があがっても、サロンは儲からないのだろう?」と
いうことを数字を交えて、深掘りしてみます。
1.売上が上がらない原因は「稼働率」だった
先月は、200万円の売上を達成した!
今月は、250万円の売上を達成した!
と、達成したことに喜んでしまっている。
確かに目標売上を達成することはとても嬉しいことです。
でも売上が上がったからといって手元にお金が残っていますか?
ほとんどのサロンは、売上が上がっても手元にお金が残らず、
スーッとどこかえ無くなってしまいます。
不思議ですよね。。。
売上は上がっているのに手元に残るはずのお金がいつのまにか消えてしまうのですから。
なぜこんな事が起きるのかというと、サロンの稼働率に原因があります。
ここで稼働率とは、
「スタッフが日々、サロン内でどの程度、効率的にお客さんを回転させているか」
ということになります。
お金(利益)が残せる経営者は、この『稼働率』を意識して経営しているのです。
2.稼働率が利益に関係する理由
一般の会計では、売上ー原価=売上総利益となります。
この売上総利益を粗利と呼んでいます。
粗利ってよく聞きますが美容室では材料費が10%くらいなので、粗利率が90%となります。
飲食業界なら原価(食材)30%くらいです。
この数字だけ見るなら美容室の方が原価が低い分、粗利率が高いです。
また、飲食店の材料としての違いは、飲食店の食材は、時間が経つにつれて
腐ってしまい最終的には廃棄処分となります。
一方、美容室の材料は使えば使うほどかかりますが腐るものはありませんので
廃棄処分は0です。
美容室はいくら在庫があっても、腐らないからとても良いです。
そして、大切なのはここからです。
「何が利益に影響しているのでしょうか?」
ちょっと、なぞなぞのような問いかけですが、
「売上に関係なく、使っても使わなくてもかかる費用とは?」
一体、何でしょうか?
・
・
・
・
・
答えは、人件費です。
暇でも忙しくても、人を雇えば必ず給料は支払わなければなりません。
暇な場合、多少の人件費のコストを抑えることはできますが
スタッフも生活がかかっていますので、むやみに暇だからって帰ってもらう
わけにも行きません。
この「暇でも忙しくても人件費は同じ」ということを、経営者の視点から見ると
きっとこう思うはずです。
「少ないスタッフ数で目一杯、お客様を担当してほしい」と。
だって、どれだけ忙しくても時給は同じです。
であれば、しっかりとお客さんを集め、効率よくサロンを回転させることで
利益の最大化ができることになります。
例えば、【スタッフ1日の入客数】×【客単価@2,000円】の場合、
1日 6名の場合、12,000円
1日 8名の場合、16,000円
1日 10名の場合、20,000円
となります。
一ヶ月の稼働日が、22日間の場合、
12,000円 × 22日間 = 264,000円
16,000円 × 22日間 = 352,000円
20,000円 × 22日間 = 440,000円
となります。
スタッフが1日に売上を12,000円あげても20,000円あげても同じ時給です。
でも売上は8000円も違ってきます。
それが30日間だったら240,000万円も違ってきます。
そして2名分だったら480,000円も違ってくるのです。
3.「実例」稼働率で変わる売上
私のサロンでは稼働率を80%に設定しています。
1日(8h)にスタッフ1名が担当できる客人数を1時間で2名とすると
8hr × 2名/hr = 16名。
稼働率が80%で設定していますので
16名 × 80% = 12.8名。
計算しやすく13名とすると、
稼働率 80% 13名 × 客単価@2000円 = 26,000円
稼働率 60% 10名 × 客単価@2000円 = 20,000円
稼働率 40% 7名 × 客単価@2000円 = 14,000円
となります。
稼働率がアップすると、売上は上がります。
そして、スタッフの給料は変わりません。
私のサロンは3名体制で常に80%以上の稼働率です。
なので、
13名 × 3 = 39人(MAX48名)
39人 × 30日間 = 2,340,000円(80%)
が見込めていることになります。
これが稼働率 60%になると、
30名 × 30日間 = 1,800,000円(60%)
稼働率 40%であれば、
21名 × 30日間 = 1,260,000円(40%)
です。
しかし、この数字はスタッフが3名の場合の話です。
もし3名体制で稼働率が40%の場合、スタッフを一人減らすとどうなるでしょうか。
2名体制にすると稼働率が65%にアップ。
実際に経費を計算してみると
売上150万円の場合
賃料 25万円
材料 23万円
光熱費 10万円
リース 5万円
システム 5万円
合計 68万円
そこに人件費がプラスされると
3名体制の場合、720,000円(52%)
3名体制の時の経費の合計140万円
2名体制の場合、480,000円(78%)
2名体制の時の経費の合計116万円
なんと差額が24万円です。
2名体制にして稼働率を78%にして150万円の売上で
利益が34万円、利益率22.6%以上
3名体制の場合、利益が10万円、利益率6.7%しかない
稼働率を上げるのはお客様の人数を増やすだけではなく
スタッフ人数を調整することによってもアップすることができるのです。
4.稼働率は80%を目指せ!
売上が上がっても経費を使うと利益は下がってしまいます。
同じスタッフ数で売り上げるからこそ利益が出るのです。
稼働率を最低でも60%以上にし80%を目指すと利益がしっかりと残ります。
その積み重ねが次に展開するための資金源にもなります。
《ポイント!》
稼働率が80%前後、3ヶ月ほど続くようでしたらスタッフを追加で配置します。
そうやって利益を出しながら売上を徐々にアップすることができるのです。
恋もサロンも本命とセカンドを分けないと崩壊する
2017/02/12
こんにちは、小松です! 最近、お会いした異業種経営...
成功事例を聞くと成功するの?
2017/06/29
こんにちは小松です! 今日...
失敗するサロンの原因は経営者にある
2016/11/15
サロン経営で失敗する原因は、どこにあるかご存知で...